現在日本では、B型肝炎ウイルス(HBV)に感染している人が130万〜150万人いるとされ、そのほとんどが「HBV母子感染防止事業」が実施される以前の母子感染によるものです。1972年にHBs抗原検査が開始されてからは、輸血によってHBVに感染する人は減少しており、現在ではその危険性はほとんどありません。2000年時点における日赤血液センターでの初回献血者集団において、HBs抗原陽性率をみると、40歳未満では1%未満であるものの、40〜69歳では1%を超えており、依然として高い値を示すことがわかっています(下グラフ参照)。なお、1986年に「HBV母子感染防止事業」が実施された後に生まれた若い世代では、HBVキャリアは非常に少数になっていることがわかっています。
財団法人 ウイルス肝炎研究財団: HBVとB型肝炎の知識(第4版), 文光堂 2005.3
(無断転載を禁ずる)
一方、現在ではHBV感染がSTDとして流行傾向にあるという問題が浮かび上がってきています。STDとは、Sexually Transmitted Disease(性感染症)の略で、性行為で感染する病気を指し、梅毒、淋病、エイズ、クラミジア症、カンジダ膣炎、性器ヘルペスなどを含みます。HBVも性交渉を介して感染する危険性があるため、STDの1つとして考えられています。若い年齢層を中心に、B型肝炎報告数が多くなってきている点は、日本においてSTDとしてB型肝炎を考慮する重要性を示していると思われます。
前のページへ | インデックスページへ | 疾患情報ページへ